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伝統漁業の未来を変える宇宙の視点!定置網漁業と衛星データの賢い付き合い方

私たちの食卓に新鮮な魚を届けてくれる伝統漁法、「定置網漁業」。 魚の通り道に網を仕掛けて、魚たちが自然に入ってくるのを待つという、とても環境にやさしい漁法です。魚を追いかけ回さないので燃料をあまり使わず、海の資源を守りながら漁をすることができます。 しかし、この「待ち」のスタイルには、大きな悩みがありました。それは、漁獲が海の自然条件に大きく左右されてしまうこと。「今日は魚が網に入ってくれるだろうか…」というのは、漁師さんたちにとって長年の課題でした。 この伝統的な漁業の不確実性を、宇宙から解決するテクノロジーが登場しています。それが「人工衛星」のデータ活用です。 宇宙から海を「見える化」する 宇宙を周回する人工衛星は、私たち人間には見えない海の様々な顔を捉えることができます。 海の「水温」をチェック 魚には、それぞれ好みの水温があります。例えば、冬の味覚であるブリは16℃から20℃くらいの水温を好むと言われています。衛星は、広大な海の表面水温をまるで天気図のように示してくれるので、「ブリの群れが好みそうな水温帯が、自分たちの網に近づいてきているぞ」といった予測が可能になります。 海の「流れ」を読む 魚たちの多くは、潮の流れに乗って移動します。特に、性質の違う潮と潮がぶつかる「潮目」は、魚の餌となるプランクトンが溜まりやすく、絶好の漁場となります。衛星データを使えば、この潮の流れや潮目の位置をピンポイントで把握でき、魚が網に入りやすいタイミングを逃しません。 海の「栄養」を測る 衛星は、海の色から植物プランクトンの量を分析することもできます。プランクトンは海の栄養の源。つまり、プランクトンが豊富な場所には、それを食べる小魚が集まり、さらにその小魚を狙う大きな魚が集まってきます。海の栄養状態を知ることは、漁獲ポテンシャルを判断する上で重要なヒントになるのです。 衛星データが漁業の現場にもたらす変革 では、これらの衛星データを定置網漁業に活用すると、現場はどのように変わるのでしょうか。 経験と勘から、データに基づく漁業へ これまでベテラン漁師さんの経験と勘に頼っていた部分を、客観的なデータで裏付けられるようになります。これにより、若手の漁師さんでも判断がしやすくなり、技術の継承問題にも貢献します。効率的に網の点検を行ったり、水揚げの計画を立てたりと、日々の操業に科学的な...