Web4.0とGIS ― 空間を理解する知能的Webの到来
インターネットは誕生から30年以上、私たちの生活や社会を大きく変えてきました。 初期の「見るだけのホームページ」から始まり、SNSの普及、そしてブロックチェーンを基盤とする新しい仕組みの登場まで、その進化のスピードは驚異的です。 いま注目されているのが Web4.0 。 これは単なる新しいWeb技術ではなく、「リアルとデジタルが融合し、AIやIoTが人間と協働する知能的なWeb」を指します。 そして、その中心的な基盤として欠かせないのが GIS(地理情報システム) です。 なぜWeb4.0の時代にGISが重要なのか。この記事では、Webの進化の流れを振り返りつつ、その答えを探っていきます。 Webの進化を振り返る まずはインターネットがどのように変化してきたかを振り返りましょう。 Web1.0:見るだけのWeb 1990年代、インターネットといえば「ホームページ」でした。 企業や大学が情報を発信し、ユーザーはそれを読むだけ。 双方向性はなく、紙のカタログをオンラインで眺めるような時代でした。 Web2.0:参加するWeb 2000年代に入り、ブログやSNS、YouTubeの登場でWebは一変します。 ユーザーは情報を「消費するだけ」ではなく、自ら「発信」できるようになりました。 コメントやシェアを通じて、双方向のコミュニケーションが当たり前になり、社会そのものがWeb上で動くようになったのです。 Web3.0:分散型のWeb 2010年代後半、暗号資産やNFTが広がり、ブロックチェーンを基盤とした「分散型のWeb」が注目されました。 中央集権的なプラットフォームに頼らず、ユーザー自身がデータを所有し、取引や認証を可能にする仕組みです。 「誰のものでもないインターネット」という理念を掲げるWeb3.0は、個人の自由とプライバシーを重視する動きを後押ししました。 Web4.0:知能的なWebへ そしてこれから訪れるのがWeb4.0。 最大の特徴は、リアルとデジタルがシームレスに融合し、AIやIoTが人間と協働する点です。 検索して結果を見るのではなく、AIが状況を理解して必要な情報や行動を先回りして提示してくれる。 「知能的なWeb」と呼ばれるのはこのためです。 たとえば、AIが交通状況を把握し「この道は渋滞...