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【GIS業務の常識をアップデート】誰でも簡単! “パズル感覚”で始める業務自動化「GPA」入門

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「毎日繰り返すGISの定型業務、もっと楽にならないだろうか…」 「高度な分析をしたいけれど、専門知識が壁になっている…」 もし、あなたが少しでもこう感じたことがあるなら、ぜひこの先をお読みください。SuperMap GISが提供する 地理空間処理自動化(GPA) は、プログラミングの知識がなくても、まるでパズルを組み立てるように、複雑なGIS業務を驚くほど簡単に自動化できる画期的なツールです。 この連載ブログでは、2025年に向けてさらなる進化を遂げたGPAの魅力を、3回にわたって余すところなくお伝えします。第1回は、GPAの基本と、あらゆる業務の土台となる「安定性と効率性」の強化についてご紹介します。 GPAとは?- 直感的な操作で、アイデアを即座に形に GPAの最大の魅力は、その徹底的にユーザーフレンドリーな操作性です。画面上で必要なツールを選び、ドラッグ&ドロップでつないでいくだけで、あなただけの業務フロー(モデル)が完成します。 1,200を超える豊富なツール群: データ管理、空間分析、3D処理、AI連携まで、考えられるほぼ全てのGISタスクをカバーします。 多様なデータに柔軟に対応: お使いのファイルやデータベース(FileGDB, PostGIS, OracleSpatialなど)を直接読み込み、すぐに処理を始められます。 複雑なロジックも思いのまま: 繰り返し(ループ)や条件分岐といった処理も組み込めるため、単純作業の自動化から、高度な分析シナリオの構築まで自由自在です。 一度作成したモデルは、デスクトップ、サーバー、ポータル製品間で共有・再利用が可能です。これにより、個人の作業効率化はもちろん、チーム全体の生産性を飛躍的に向上させることができます。 最新版の進化ポイント:揺るぎない安定性が、ビジネスを支える 最新版のGPAでは、特に利用頻度の高いツールの心臓部であるアルゴリズムを根本から見直し、性能と安定性を磨き上げました。 重ね合わせ分析、融合、ラスター統計、投影変換といった日常業務に欠かせない機能が、これまで以上に高速かつ安定して動作します。この揺るぎない土台があるからこそ、皆様は安心してデータを活用し、より創造的な業務に集中することができるのです。 まとめ GPAは、GISのプロフェッショナルから現場の担当者まで、誰もがそのメリットを享受...

なぜデータガバナンスは失敗するのか?「ビジネス価値」から始める時空間データガバナンス

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多くの組織がデータ活用とDX(デジタル・トランスフォーメーション)に取り組んでいますが、その過程で「データガバナンス」という大きな壁に直面し、プロジェクトが期待した成果を出せずにいるケースは少なくありません。 なぜ、データガバナンスはかくも難しいのでしょうか? この問いに対し、あるSuperMapの専門家は、物事の根本原理からアプローチします。それは、「データガバナンスの本質は、データがビジネスに価値をもたらすこと、ただ一点にある」という、極めてシンプルな原則です。 よく「データは新たな石油である」と言われます。これは、データが石油のように、それ自体が価値を持つ「資源」であるという意味です。しかし、掘り出したままの原油が役に立たないのと同じで、データもまた、適切に「精製(ガバナンス)」して初めて、ビジネスを動かすエネルギーへと変わるのです。 今回は、この「ビジネス価値」という第一原理に基づき、時空間データガバナンスを成功に導くための実践的な考え方を考察します。 1. すべては「ビジネスへの価値提供」から始まる データガバナンスを考えるとき、まずデータとビジネスの関係性の変化を理解する必要があります。 かつて、データは単に業務プロセスの「記録」でした。紙の帳票を電子化しただけであり、データが直接的に新たな価値を生むことはありませんでした。 しかし、複数のシステムにデータが蓄積され始めると、それらを融合し、新たなビジネスの洞察を得る必要が出てきます。ここで初めて、データは単なる記録から、ビジネスを革新するための「源泉」へと役割を変え、データガバナンスが不可欠となるのです。 この変革を成功させる鍵は、具体的な「応用シーン」を見つけることです。応用シーンなきデータ整備は、目的のない旅と同じ。最終的にはコストだけがかさみ、プロジェクトは頓挫します。 2. 価値を生み出す3つの実践アプローチ では、具体的にどうすればデータから「ビジネス価値」を生み出せるのでしょうか。アプローチは大きく3つに分類できます。 ① ビジネスエンティティの構築 これは、ビジネスの管理対象そのものを、データとして正確に定義する作業です。例えば、同じ「道路」でも、測量部門が求める定義と、交通警察が求める定義は異なります。ビジネスの目的に合わせて、これらの「実体(エンティティ)」をデ...

「GIS」っていまだに「地理情報システム」の略?時代の変化と共に、その本当の意味を再定義してみた

  「GISって、何の略ですか?」 この質問に、多くの人は「Geographic Information System(地理情報システム)です」と答えるでしょう。教科書にもそう書いてありますし、もちろん間違いではありません。 しかし、今日のGISが持つ役割と可能性を考えると、その「System(システム)」という言葉は、少し窮屈に感じられないでしょうか? 私自身、長年この業界に携わる中で、時代の変化に合わせてGISの「S」の部分を自分なりに解釈し直してきました。そして今日、AIが社会のOSになろうとしている今、GISの新たな定義を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。 黎明期:The "S" as a System(地理情報システム) 私たちがGISと出会った頃、それは間違いなく専門家が使うための高度な「システム」でした。デスクトップPCにインストールされたソフトウェアは、地図データを作成し、空間的な分析を行うための、閉じた一つの体系。この時代、GISの価値はそのシステム自体の中にありました。 Webの時代:The "S" as a Service(地理情報サービス) インターネットが普及すると、GISはデスクトップを飛び出しました。ブラウザ上で誰もが地図を閲覧し、ルートを検索できるWebGISが登場。GISの機能は、所有する「モノ(システム)」から、誰もが利用できる「コト(サービス)」へと変化しました。この頃から、私にとってGISは「地理情報サービス」としての側面を強く持つようになります。 課題解決の時代:The "S" as a Solution(地理情報ソリューション) やがてGISは、単なる地図サービスに留まらなくなります。「どこに新しい店舗を出店すべきか?」「どのインフラを優先的に更新すべきか?」「災害時に最適な避難経路は?」といった、ビジネスや社会が抱える具体的な課題に対する「解決策(ソリューション)」を提供するようになりました。GISは、地図を作るための道具から、意思決定を支援するための強力なソリューションへと進化したのです。 そして現代へ:The "S" as a Software for Geospatial Intelligence そして、2025年の今日。IoTが...

【初心者向け】IoT・ビッグデータ・AI・GISの関係を「人間のカラダ」で超解説!

「IoT」に「ビッグデータ」、「AI」、そして「GIS」。 DXやスマートシティの文脈で必ずと言っていいほど耳にするこれらの言葉ですが、「それぞれ何となくは分かるけど、どう関係しているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 実はこの4つの技術、私たちの「カラダの仕組み」に例えると、驚くほどスッキリ理解できるんです。 今回は、この最強の技術カルテットがどのように連携し、私たちの未来を創っていくのかを解説します。 最強カルテットの関係性を「カラダ」に例えてみよう この4つの技術の関係は、情報を集め、判断し、行動するまでの一連の流れです。これを私たちの身体機能に当てはめてみましょう。 IoT = 現実世界を感じ取る「五感」 ビッグデータ = 情報を脳に届ける「神経系」 AI = 考えて予測する「脳」 GIS =「どこで?」を理解する「空間認識能力」 IoTは、現実世界を感じ取る「五感」 IoT(モノのインターネット)は、現実世界のあらゆるモノにセンサーやカメラ、通信機能を持たせ、その状態をデータとして収集する技術です。街中の監視カメラや河川の水位計、スマホのGPSは、まさに都市や社会の状況をリアルタイムに捉える「五感」の役割を果たします。 ビッグデータは、情報を脳に届ける「神経系」 無数のIoTデバイスからは、常に膨大なデータが生まれます。この途方もない量のデータを、滞りなく高速に収集・蓄積・処理する技術がビッグデータです。五感から送られてくる情報を、脳であるAIが処理できるように正確に伝達する「神経系」と言えます。 AIは、考えて予測する「脳」 AI(人工知能)は、神経系を通じて送られてきた膨大な情報を解析し、そこに潜むパターンや意味を見つけ出し、判断や予測を行う「脳」の役割を担います。「この交通量の増え方は、30分後に渋滞が起きるパターンだ」といったように、人間では処理しきれないデータから、行動に繋がる「知見」を導き出します。 GISは、「どこで?」を理解する「空間認識能力」 そして、全体を統合するのがGIS(地理情報システム)です。AIが「渋滞が起きそうだ」と判断しても、それが「どこで」起きるのか分からなければ意味がありません。GISは、AIの解析結果などをすべて地図の上に正確に配置し、状況を直感的に理解させてくれます。これは、脳が持つ「空間認識能...