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【劇的効率化】1日仕事が44分に!GPA分散分析が実現する、大規模GISデータ処理の新たな地平 はじめに

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「数千万件のデータを処理しようとしたら、PCがフリーズしてしまった…」 「巨大なデータセットを前に、どこから手をつけていいか途方に暮れている…」 大規模データの処理は、多くのGIS実務者にとって頭の痛い問題です。特に、自然資源の調査や広域モニタリングの現場では、データ量が日々増大し、従来の処理能力ではもはや追いつかない、という悲鳴も聞こえてきます。 今回は、SuperMapのGPAがこの「巨大データの壁」をいかにして乗り越えたのか。その切り札である 「分散分析ソリューション」 と、実際のプロジェクトで達成された驚くべき成果をご紹介します。 課題解決の鍵「GPA分散分析」とは SuperMap iServerに搭載されたGPAの分散分析機能は、一つの重い処理タスクを複数のマシンに分割し、同時に処理させる技術です。これにより、一台のマシンでは何時間、何日とかかっていた処理を、劇的に短縮します。これまで手作業でデータを分割せざるを得なかった億単位のデータですら、一括で高速に処理する時代の到来です。 【事例1】複雑な分析業務を8割以上の時間短縮 ある省の自然資源部門では、複雑な法規制ルールの適合性分析に、従来は半日もの時間を費やしていました。この定型的で煩雑な作業をGPAの分散分析モデルで自動化したところ、 わずか1時間足らず で完了。担当者は単純な繰り返し作業から解放され、分析結果の解釈といった、より付加価値の高い業務に専念できるようになりました。 【事例2】「千万件 vs 千万件」の重ね合わせ、1日からわずか44分へ GIS分析の“ラスボス”とも言える、大規模なポリゴンデータ同士の重ね合わせ。ある省のプロジェクトでは、5,000万ポリゴンと6,000万ポリゴンの重ね合わせに、従来はデータを細かく分割しながら処理を進め、 丸1日以上 を要していました。 この処理をGPAの分散分析に切り替えた結果、全データを一括投入し、かかった時間は 信じられないことに、わずか44分 。データ分割の手間がなくなっただけでなく、効率はまさに異次元のレベルへと飛躍しました。 【事例3】億単位のデータ処理という未知の領域へ GPAの挑戦は留まるところを知りません。最近では、4.6億件と5.9億件という国家レベルの超巨大データの重ね合わせ分析にも成功。データ準備から分析、結果出力までの全工程を わ...

【第24回】サクサク動く3D地図の秘訣!iDesktopXのパフォーマンス最適化

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  こんにちは!GIS導入支援コンサルタントのippuku_timeです。 「5分で分かるSuperMap iDesktopX製品・機能紹介シリーズ」、第24回です。前回は、他のGISプラットフォームからの「データ移行」について学びました。今回は、大量のデータを扱うGISプロジェクトで常に課題となる「 パフォーマンス最適化 」に焦点を当てます。地図がサクサク動くための秘訣、特に3Dシーンにおけるキャッシュ技術について解説します。 【第24回】サクサク動く3D地図の秘訣!iDesktopXのパフォーマンス最適化 1. なぜパフォーマンス最適化が必要か? GISで扱うデータ、特に3D都市モデルや高解像度の航空写真、広範囲の地形データは、非常にデータ量が大きくなります。これらのデータをそのまま表示しようとすると、PCのスペックによっては画面の描画が遅くなったり、操作がカクカクしたりと、大きなストレスを感じることがあります。 快適な操作性を実現し、作業効率を上げるためには、データを表示用に最適化する「 キャッシュ 」技術の活用が不可欠です。 図 大規模な3D都市データをキャッシュ技術で高速に表示するイメージ 2. 3Dシーン高速化の鍵「シーンキャッシュ」 3Dシーンのパフォーマンスを向上させるための最も効果的な方法が「 シーンキャッシュ 」の作成です。これは、表示に時間のかかる元のデータ(例:多数のBIMモデルや地形データ)を、あらかじめ3Dシーン表示に最適化された形式に変換しておく技術です。一度キャッシュを作成してしまえば、次回以降は元のデータを読み込む代わりに、軽量なキャッシュファイルを読み込むため、表示速度が劇的に向上します。 iDesktopXは、データの種類に応じて、様々なタイプのシーンキャッシュを生成できます。 (1) イメージキャッシュ (*.sci3d) 広範囲の航空写真や衛星画像などのラスタデータを3Dシーンの地表面に貼り付ける際に使用します。ズームレベルに応じたピラミッド構造を持ち、高速な表示を実現します。 (2) 地形キャッシュ (*.sct) DEM(数値標高モデル)などの地形データを、3Dシーンで立体的に、かつ高速に表示するためのキャッシュ形式です。 (3) モデルキャッシュ / ベクトルキャッシュ (*.scv, *.scp) 建物などの...

【第14回】Web地図の高速表示を支える「地図タイル」の技術を徹底解説

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  こんにちは!GIS導入支援コンサルタントのippuku_timeです。 「5分で分かるSuperMap iDesktopX製品・機能紹介シリーズ」、第14回です。前回はテラバイト級のデータを扱う「ビッグデータオンライン分析」という壮大なテーマでしたね。今回は、うってかわって私たちの普段の生活に欠かせない、Web地図の裏側を支える「 地図タイル 」の技術に焦点を当てます。なぜスマートフォンやPCで見る地図は、あれほど高速に、そして滑らかに表示されるのでしょうか。その秘密を解き明かしていきましょう。 【第14回】Web地図の高速表示を支える「地図タイル」の技術を徹底解説 1. 地図タイルとは? 地図タイルとは、巨大な一枚のデジタル地図を、あらかじめ多数の小さな正方形の画像(タイル)に分割して保存しておく技術です。私たちがWeb地図を閲覧する際、画面に表示されている範囲に必要なタイルだけをサーバーから読み込んで、パズルのように組み合わせて表示しています。これにより、巨大な地図データを一度に読み込む必要がなくなり、驚異的な表示速度が実現されています。 (1) 地図タイルのピラミッド構造 さらに、地図タイルはズームレベルごとに用意されています。地図を縮小しているときは解像度の低い(少ない枚数の)タイルを、拡大するにつれて解像度の高い(より多くの枚数の)タイルを読み込むように、階層的な構造(ピラミッド)になっています。これが、滑らかなズーム操作を可能にしているのです。 図14-1 地図タイルのピラミッド構造の概念図 図14-2 地図タイル技術のイメージ 2. iDesktopXでのタイル作成プロセス iDesktopXは、この地図タイルを作成し、管理するための包括的なツールを提供しています。作成できるタイルには、主に2つの種類があります。 (1) ラスタタイル 従来からある、地図をPNGやJPG形式の「画像」として分割したタイルです。表示が非常に高速である一方、拡大しすぎると画像がぼやけたり、地図のデザイン(配色やシンボル)を後から変更できないという特徴があります。 (2) ベクトルタイル よりモダンで柔軟な形式です。タイルの中身が画像ではなく、点・線・ポリゴンといった「ベクタデータ」そのものになっています。 ① メリット: データ量が圧倒的に小さく、配信が高速です...