投稿

ラベル(国土地理院)が付いた投稿を表示しています

GIS活用の第一歩!日本の高品質な「公的データ」徹底ガイド

イメージ
日本の地理空間情報基盤は、国や地方公共団体が整備・公開する、世界でも有数の高品質な公的データによって支えられています。これらは、国家規模の解析を行う上でのまさに「基盤」となるデータです。 GIS活用において特に重要な公的データをいくつかご紹介します。 地図の骨格(国土地理院): 国土地理院(GSI)が提供する「基盤地図情報」や、Web地図の背景として広く使われる「地理院タイル」は、地図の骨格を形成する最も信頼性の高いデータです。 社会経済(総務省統計局): 総務省統計局の「e-Stat」で公開される国勢調査などの統計データは、人口分布や経済状況の分析に不可欠です。 都市・災害(国土交通省): 国土交通省の「国土数値情報」は土地利用や災害リスクなど多種多様な情報を提供します。近年では、3D都市モデル整備プロジェクト「Project PLATEAU」や、全国の用途地域などを統一フォーマットで提供する「都市計画決定GISデータ」も注目されています。 さらに、これらのデータを横断的に結びつける「マスターキー」として、デジタル庁が推進する「ベース・レジストリ」(特に住所マスターや不動産ID)の整備も進んでいます。 SuperMap GISは、国際標準規格(OGC)に準拠しており、地理院タイルを背景にe-Statの統計データや国土数値情報のリスクデータを重ね合わせるなど、多様な公的データを活用した高度なマッシュアップを容易に実現します。

3分でわかる!日本の高さの基準が変わる「JGD2024」

2025年4月1日から、日本の位置を示すための基準である「測地系」が新しくなります。これまでの「日本測地系2011(JGD2011)」から「日本測地系2024(JGD2024)」へと移行します。 私たちの生活に直接大きな影響がすぐに出るわけではありませんが、測量や建設、防災など、正確な位置情報が不可欠な分野にとっては重要な変更です。一体何が、どのように変わるのでしょうか。ポイントを3つに絞って解説します。 ポイント1:何が変わるの? → 「高さ(標高)」の基準が変わります 今回の変更で一番重要なのは、緯度経度などの水平的な位置は変わらず、「高さ(標高)」の基準だけが新しくなるという点です。 これまで日本の標高は、東京湾の平均海面を基準(標高0m)として、全国に設置された水準点という基準点で管理されてきました。しかし、この方法では地面の変動(地殻変動)を正確に反映し続けるのが難しいという課題がありました。 そこでJGD2024では、人工衛星からの信号(GNSS、いわゆるGPSなど)を使って、より精密に「高さ」を求められる新しい方法に変わります。具体的には、「ジオイド」という地球の形をより正確に表したモデルの最新版「ジオイド2024」を利用することで、全国どこでも均質で精度の高い標高が得られるようになります。 ポイント2:なぜ変えるの? → より正確で、災害にも強い社会のため 測地系を更新する大きな目的は、測量技術の進歩に対応し、より災害に強い社会基盤を構築するためです。 近年、GNSS技術の発展は目覚ましく、誰でも手軽に正確な位置情報を得られるようになりました。新しいJGD2024の標高基準は、このGNSS測量との相性が良く、作業の効率化と精度の向上が期待されています。 また、地震や火山活動などで地面が動いた際も、GNSSを使えば迅速に現状を把握し、復旧作業に不可欠な正確な標高を素早く提供できるようになります。これは、迅速な復旧・復興に繋がり、私たちの安全・安心な暮らしを守る上で非常に重要です。 ポイント3:どんな影響があるの? → 地域によって標高の値が最大数十cm変わる可能性 この変更に伴い、全国の三角点や電子基準点などの標高値が一斉に改定されます。場所によっては、これまでの標高値から最大で60cm程度の差が生じる可能性があります。 ただし、これは地図や土地の実際...