投稿

ラベル(IoT)が付いた投稿を表示しています

ハザードマップは「見る」から「感じる」へ。AI×IoTで進化するリアルタイム災害情報

イメージ
自宅のポストに投函される、紙のハザードマップ。自分の住む地域の水害リスクなどが示されていますが、「いざという時」に本当に役立つでしょうか?災害は常に想定通りに起こるとは限りません。 そこで今、開発が進んでいるのが、静的なハザードマップの限界を超える「リアルタイムハザードマップ」です。これは、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)技術を駆使し、「今、そこにある危険」をリアルタイムで地図上に表示する画期的なシステムです。 どうやってリアルタイム化するのか? 街なかの「目」を活用: 街中に無数に設置されている防犯カメラの映像をAIがリアルタイムで解析し、道路の冠水などを自動で検知します。 IoTセンサー網を構築: 電柱やマンホールなどに設置された安価なIoTセンサーから、浸水の深さや土砂の動きといったピンポイントな情報が次々と送られてきます。 SNS情報も分析: Twitterなどに投稿される被害状況を示す画像やテキストをAIが収集・分析し、信頼性を判断した上で地図にマッピングします。 「自分ごと」として捉えることが避難につながる このシステムの最大の目的は、住民一人ひとりが災害リスクを「自分ごと」として認識し、早期の避難行動を促すことです。 「ハザードマップでは安全なはずだったのに、家の前の道路が冠水し始めた」「いつも使うあの道が通行止めになっている」 そんな生々しい情報がスマートフォンの地図上にリアルタイムで表示されれば、危機感は格段に高まります。従来の「与えられる」ハザードマップから、状況が動的に変化する「感じる」ハザードマップへ。テクノロジーの力が、私たちの命を守る行動を力強く後押しします。 

【第4回】リアルタイムデータをGISで扱う!iDesktopXのストリーミングデータ管理

イメージ
  こんにちは!GIS導入支援コンサルタントのippuku_timeです。 「5分で分かるSuperMap iDesktopX製品・機能紹介シリーズ」、第4回へようこそ!前回はGISの心臓部である「データ管理」について学びました。今回は少し未来的なテーマ、「 ストリーミングデータ 」の管理機能をご紹介します。IoTデバイスやセンサーから絶え間なく送られてくるリアルタイムデータを、iDesktopXでどのように扱えるのか見ていきましょう。 【第4回】リアルタイムデータをGISで扱う!iDesktopXのストリーミングデータ管理 1. ストリーミングデータとは? ストリーミングデータとは、その名の通り「流れ込んでくる」データのことです。時間の経過とともに継続的に、そして大量に生成される動的なデータを指します。 私たちの身の回りでも、すでに多くのストリーミングデータが活用されています。 走行中の港区コミュニティバス「ちぃばす」から送られてくるGPS位置情報 区内に設置された気象・環境センサーの観測データ シェアサイクルのリアルタイムな位置情報 これらのデータを地図上でリアルタイムに可視化・分析することで、交通状況の監視、防災情報の提供、効率的な都市運営など、様々なスマートシティの取り組みが実現できます。 図4-1 港区の地図上を流れるリアルタイムデータのイメージ 2. iDesktopXにおけるデータ送受信の仕組み iDesktopXでストリーミングデータを扱うには、データを受け取るための「窓口」と、そこにデータを送り込む「送信元」が必要です。iDesktopXは、この仕組みを2つの方法で提供しています。 (1) SuperMap iServerを利用する方法 SuperMapのGISサーバー製品である「iServer」をデータの中継ハブとして利用します。iServerはWebSocketプロトコルを使用し、高速で双方向の通信を実現します。大規模なシステムや、複数のデータソースを統合して配信するような場合に強力な選択肢となります。 (2) iDesktopX内蔵のHTTP/HTTPSサービスを利用する方法 iServerのような外部サーバーを立てなくても、iDesktopX自体が簡易的なHTTP/HTTPSサーバーとして機能します。これにより、手軽にストリーミング...

【初心者向け】IoT・ビッグデータ・AI・GISの関係を「人間のカラダ」で超解説!

「IoT」に「ビッグデータ」、「AI」、そして「GIS」。 DXやスマートシティの文脈で必ずと言っていいほど耳にするこれらの言葉ですが、「それぞれ何となくは分かるけど、どう関係しているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 実はこの4つの技術、私たちの「カラダの仕組み」に例えると、驚くほどスッキリ理解できるんです。 今回は、この最強の技術カルテットがどのように連携し、私たちの未来を創っていくのかを解説します。 最強カルテットの関係性を「カラダ」に例えてみよう この4つの技術の関係は、情報を集め、判断し、行動するまでの一連の流れです。これを私たちの身体機能に当てはめてみましょう。 IoT = 現実世界を感じ取る「五感」 ビッグデータ = 情報を脳に届ける「神経系」 AI = 考えて予測する「脳」 GIS =「どこで?」を理解する「空間認識能力」 IoTは、現実世界を感じ取る「五感」 IoT(モノのインターネット)は、現実世界のあらゆるモノにセンサーやカメラ、通信機能を持たせ、その状態をデータとして収集する技術です。街中の監視カメラや河川の水位計、スマホのGPSは、まさに都市や社会の状況をリアルタイムに捉える「五感」の役割を果たします。 ビッグデータは、情報を脳に届ける「神経系」 無数のIoTデバイスからは、常に膨大なデータが生まれます。この途方もない量のデータを、滞りなく高速に収集・蓄積・処理する技術がビッグデータです。五感から送られてくる情報を、脳であるAIが処理できるように正確に伝達する「神経系」と言えます。 AIは、考えて予測する「脳」 AI(人工知能)は、神経系を通じて送られてきた膨大な情報を解析し、そこに潜むパターンや意味を見つけ出し、判断や予測を行う「脳」の役割を担います。「この交通量の増え方は、30分後に渋滞が起きるパターンだ」といったように、人間では処理しきれないデータから、行動に繋がる「知見」を導き出します。 GISは、「どこで?」を理解する「空間認識能力」 そして、全体を統合するのがGIS(地理情報システム)です。AIが「渋滞が起きそうだ」と判断しても、それが「どこで」起きるのか分からなければ意味がありません。GISは、AIの解析結果などをすべて地図の上に正確に配置し、状況を直感的に理解させてくれます。これは、脳が持つ「空間認識能...