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【INTERGEO 2025 レポート】SuperMapが示すAI・3D GISの未来とグローバルな協力新時代!

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先日、 2025年10月9日 にドイツのフランクフルトで INTERGEO 2025 が華々しく閉幕しました。地理空間情報技術の祭典とも言えるこの世界的な展示会は、今年は600社以上の企業等が出展し、17,000人以上が来場するなど、業界の勢いを強く示すイベントとなりました。 出展企業の一つとして、 SuperMap も参加。最新の技術成果と業界ソリューションを披露し、国際的な業界関係者から大きな注目を集めました。 業界ニーズを掴む技術と、グローバルな交流 SuperMapのブースでは、特に AI(人工知能) と 3次元GIS技術 における革新的な進歩、そしてそれらを 地籍管理 や デジタルツイン といった重要分野でいかに活用しているかに焦点を当てて展示しました。デモンストレーションを通じて、SuperMap GISの技術が、複雑な空間データを効率的に処理し、問題を解決する具体的なアプローチを示しました。 会場には、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ、中東など、世界中から具体的なビジネスニーズを持つ専門家がSuperMapとの交流を求めました。 アゼルバイジャン 政府機関の代表者は、SuperMapが持つ リモートセンシング画像のAI処理・分析 能力が、地球観測データの効率的な利用や、環境モニタリング、災害評価に極めて有効であると評価。 モロッコ の企業代表は、SuperMapの 地籍管理ソリューション の 正確性 と 体系化された設計 が、地籍測量や不動産登記の作業効率と信頼性を高めると期待を示しました。 スイス の企業代表者は、データ作成プロセスにAI技術を取り入れるというSuperMapの革新的な取り組みが、手作業を大幅に削減し、データ処理の効率向上に貢献すると述べました。 また、Leica(ライカ)などのサプライチェーンを構成する企業ともSuperMapは積極的な話し合いを実施。SuperMapのプラットフォームソフトウェア技術を介して、上流のデータ収集と下流のアプリケーションをよりスムーズに連携させる可能性を探りました。 オマーン企業との提携で国際協力のエコシステムを拡大 今回のINTERGEOでは、グローバルなビジネス展開において重要な成果がありました。 会期中、 SuperMap International総裁のRoger Wang と、オマ...

技術の潮流と人の絆が生み出す、国土情報の新たな地平

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  はじめに 「SuperMap」「海図」「陸海空一体化」──先日、これらのキーワードで未来の国土情報の姿を思い描く機会がありました。さらに、毎年恒例となっている日本の国際協力の柱「JICA海外公務員研修」を重ね合わせると、テクノロジーと人、そして国づくりが交差する壮大な物語が浮かび上がってきます。 2025年の今、地理空間情報をめぐる世界ではどんな潮流が生まれているのか。その可能性をたどりながら、「技術」と「人」の協奏が生み出す未来を探ってみたいと思います。 AIとGISが描く「陸海空一体化」の未来 かつて、地図は「陸」、海図は「海」、それぞれ独立した世界でした。しかし現代のGIS技術──特にSuperMapのような先進的なプラットフォームは、その境界を軽々と越えています。 3D都市モデルで陸の姿を描き、ドローンが撮影した高精細オルソ画像で空から俯瞰し、さらに国際標準の電子海図(S-57/S-100)で海の情報を重ね合わせる。こうした「陸・海・空」の情報を一つのデジタル空間に統合し、リアルタイムに解析できる時代が到来しました。 さらにここにAIが加わることで可能性は大きく広がります。衛星データからインフラの変化を自動検出する。過去の気象・海象データと地形データを組み合わせてリアルタイムに浸水リスクを予測する「AI Geo-relationalモデル」が現実となり、国土規模のデジタルツインが実現しつつあるのです。 災害時の被害把握、インフラの効果的な配置、洋上風力発電の立地選定など、応用分野は無限に広がっています。これはまさに「陸海空一体化」の深化にほかなりません。 JICA研修が築く“知のインフラ” ただし、どれほど高度な技術であっても、それを活かすのは「人」です。特に防災やインフラ整備が急務の開発途上国では、技術の導入と同時に、それを担う人材育成が不可欠です。 ここで重要な役割を果たしているのが、JICAの「知識共創プログラム」としての公務員研修「JICA集団研修(水路測量技術者養成の国際認定コース)」です。各国から集まった行政官や技術者たちは、日本の国土地理院や海上保安庁海洋情報部で、測量、地図作成、水路測量といったノウハウを学びます。 単なる技術操作を学ぶだけでなく、国家空間データ基盤(NSDI)をどう構築し、運用していくかという思想や哲学に触れるこ...