投稿

ラベル(点群)が付いた投稿を表示しています

【第20回】さらに深く!iDesktopXの3Dデータ処理専門技術

イメージ
  こんにちは!GIS導入支援コンサルタントのippuku_timeです。 「5分で分かるSuperMap iDesktopX製品・機能紹介シリーズ」、第20回です。前回は、3Dモデルを自在に作成・編集する高度なテクニックについて学びました。今回は、さらに専門的な領域に踏み込み、3D GISで扱う様々なデータタイプ(モデル、地形、地質体、点群など)に特化した「 3Dデータ処理 」機能について解説します。 【第20回】さらに深く!iDesktopXの3Dデータ処理専門技術 3D GISプロジェクトでは、多種多様なデータソースから得られる3Dデータを扱う必要があります。iDesktopXは、それぞれのデータ形式の特性に合わせた専門的な処理ツールを提供し、高品質な3Dシーンを構築するためのデータ準備を強力にサポートします。 図 多様な3Dデータ(地形、モデル、点群など)を統合処理するイメージ 1. モデルデータの処理 (1) 属性の抽出: 3Dモデルデータセットから、各オブジェクトの体積、表面積、頂点数、頂部・底部の標高といった幾何学的な属性を自動で計算し、属性テーブルに付与します。これにより、例えば建物の容積率の計算や、概算の壁面積の算出などが可能になります。 (2) 地形によるモデル修正: ビルなどの3Dモデルを起伏のある地形データ上に配置すると、モデルの底部が地面にめり込んだり、逆に浮き上がったりすることがあります。この機能は、地形の標高に合わせてモデルのZ値を自動調整し、地形に正しく接地させることができます。 (3) キャッシュの一括生成: 多数のモデルデータ(BIMやCADモデルなど)を、3Dシーンで高速に表示するための専用形式「3Dタイルキャッシュ」に一括で変換します。 2. 地質体モデルの処理 目に見えない地下空間を可視化・分析するための専門機能です。 (1) 地質体の構築: ボーリング調査などで得られた地層のポイントデータから、複雑な地層の3次元的な広がりを「地質体モデル」として自動生成します。 (2) 地質断面とボーリング: 構築した地質体モデルに対して、指定したラインで切った「地質断面図」を作成したり、任意の地点での仮想的な「ボーリング柱状図」を生成したりすることができます。土木・建設分野での地盤状況の把握に不可欠な機能です。 3. TIN地形...

地図とズレてる!ドローンやLiDARの3D点群(LAS)データをSuperMapで正しく位置合わせする方法

イメージ
ドローンでの計測やレーザースキャナーから取得した、高精細な3D点群データ(LASファイル)。いざGISソフトに読み込んでみたら、「なぜか海の上に表示される」「ベースマップと全然違う場所にある」なんて経験はありませんか? それは、3Dデータが ジオレファレンス されていない(=現実世界の正しい座標を持っていない)ために起こる典型的な問題です。 今回は、そんな位置がズレてしまった3D点群データを、デスクトップGIS「 SuperMap   iDesktopX 」を使って、地図上に正しく配置する方法を分かりやすく解説します。 なぜ位置合わせ(ジオレファレンス)が必要? スキャナーなどで取得された直後の3D点群データは、それ自体が持つローカルな座標系(原点が0,0,0など)で構成されていることが多く、地球上のどこにあるかという情報を持っていません。 ジオレファレンスとは、この「住所不定」の3Dデータに、 現実世界の正しい住所(座標)を与える作業 です。この作業を行うことで、初めて他の地図データと正確に重ね合わせ、GISデータとして活用できるようになります。 SuperMap iDesktopXを使った位置合わせの簡単3ステップ iDesktopXでは、「レジストレーション(Registration)」機能を使って、直感的に位置合わせを行うことができます。 ステップ1:データを取り込み、基準となる「対応点」を探す まず、位置合わせをしたいLASファイルをiDesktopXのシーンにインポートします。この時点では、データはシーンの中心など、見当違いの場所に表示されます。 次に、位置を合わせるための「対応点」を最低3ペア探します。対応点とは、以下の2つの点のことです。 ソースポイント :位置がズレている3D点群データ上の、目印となる点(例:建物の角) ターゲットポイント :ベースマップなど、既に正しい位置にある地図上の、ソースポイントと全く同じ点(例:同じ建物の角) ステップ2:「ポイントによる幾何補正」ツールを実行する ツールを起動し、ステップ1で見つけた対応点の座標を入力していきます。ソースポイントは3Dモデル上から直接クリックして座標を取得し、ターゲットポイントは地図上からクリックするか、正確な座標値を入力します。 このペアを3つ以上作成することで、ソフトウェアが3...