地図とズレてる!ドローンやLiDARの3D点群(LAS)データをSuperMapで正しく位置合わせする方法
ドローンでの計測やレーザースキャナーから取得した、高精細な3D点群データ(LASファイル)。いざGISソフトに読み込んでみたら、「なぜか海の上に表示される」「ベースマップと全然違う場所にある」なんて経験はありませんか?
それは、3Dデータがジオレファレンスされていない(=現実世界の正しい座標を持っていない)ために起こる典型的な問題です。
今回は、そんな位置がズレてしまった3D点群データを、デスクトップGIS「SuperMap iDesktopX」を使って、地図上に正しく配置する方法を分かりやすく解説します。
なぜ位置合わせ(ジオレファレンス)が必要?
スキャナーなどで取得された直後の3D点群データは、それ自体が持つローカルな座標系(原点が0,0,0など)で構成されていることが多く、地球上のどこにあるかという情報を持っていません。
ジオレファレンスとは、この「住所不定」の3Dデータに、現実世界の正しい住所(座標)を与える作業です。この作業を行うことで、初めて他の地図データと正確に重ね合わせ、GISデータとして活用できるようになります。
SuperMap iDesktopXを使った位置合わせの簡単3ステップ
iDesktopXでは、「レジストレーション(Registration)」機能を使って、直感的に位置合わせを行うことができます。
ステップ1:データを取り込み、基準となる「対応点」を探す
まず、位置合わせをしたいLASファイルをiDesktopXのシーンにインポートします。この時点では、データはシーンの中心など、見当違いの場所に表示されます。
次に、位置を合わせるための「対応点」を最低3ペア探します。対応点とは、以下の2つの点のことです。
ソースポイント:位置がズレている3D点群データ上の、目印となる点(例:建物の角)
ターゲットポイント:ベースマップなど、既に正しい位置にある地図上の、ソースポイントと全く同じ点(例:同じ建物の角)
ステップ2:「ポイントによる幾何補正」ツールを実行する
ツールを起動し、ステップ1で見つけた対応点の座標を入力していきます。ソースポイントは3Dモデル上から直接クリックして座標を取得し、ターゲットポイントは地図上からクリックするか、正確な座標値を入力します。
このペアを3つ以上作成することで、ソフトウェアが3Dデータをどのように「移動・回転・拡大縮小」すれば地図にピッタリ合うかを自動で計算してくれます。
ステップ3:実行して結果を確認!
計算が完了したら、実行ボタンを押します。すると、先ほどまで見当違いの場所にあった3D点群データが、地図上の正しい位置にピタッと移動します。
これで、あなたの3D点群データは、他のGISデータと連携できる「生きたデータ」に生まれ変わりました。
まとめ
位置がズレた3D点群データは、一見すると扱うのが難しそうに思えますが、正しい手順を踏めば誰でも修正できます。SuperMap iDesktopXのレジストレーション機能は、この複雑な作業をシンプルかつ直感的に行うための強力なツールです。
このテクニックをマスターすれば、ドローンやLiDARから取得した貴重な3Dデータを、防災シミュレーションや都市計画、インフラ管理など、あらゆるGISプロジェクトで最大限に活用できるようになるでしょう。
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