【GIS初心者向け】国土数値情報、ShapefileとGeoJSONどっちをダウンロードすべき?特徴と使い分けを徹底解説!
GISユーザーにとっておなじみの「国土数値情報」。これまで標準だったShapefile(シェープファイル)形式に加え、最近GeoJSON(ジオジェイソン)形式でのデータ提供も拡充され、ダウンロード時にどちらを選ぶべきか迷った経験はありませんか?
「昔から使っているからShapefileで…」という方も多いかもしれませんが、実はこの二つ、得意なことや使い勝手が大きく異なります。
今回は、このGISデータ形式の「大御所」と「ニュースター」を比較し、あなたが今、そしてこれからどちらを使うべきかの判断材料を分かりやすく解説します。
まずは両選手をご紹介!それぞれのプロフィール
シェープファイル:GIS界の「頼れる大御所」
シェープファイルは、米Esri社が開発し、長年にわたりGIS業界の標準形式として君臨してきたデータ形式です。QGISやArcGISといったデスクトップGISソフトで作業するなら、まず間違いのない形式と言えるでしょう。
* 長所:
* ほぼ全てのGISソフトが対応しており、互換性が非常に高い。
* 歴史が長く、利用実績やノハウが豊富。
* バイナリ形式のため、非常に大規模なデータの表示が比較的速い場合がある。
* 短所:
* 複数のファイル(.shp, .shx, .dbfなど最低3つ)で1セットのため、ファイル管理が煩雑。「.shpファイルだけ送る」といったミスが起こりがち。
* 属性情報のフィールド名が半角10文字(SHIFT-JIS)までという古い制限がある。
* Webブラウザで直接表示するには一手間かかる。
例えるなら、「信頼と実績の百科事典(分冊)」。内容は確かですが、少し古風で持ち運び(ファイルのやり取り)が少し面倒なイメージです。
GeoJSON:Web時代の「軽快なニュースター」
GeoJSONは、Webの世界で標準的に使われるJSON(ジェイソン)という形式を、地理空間データに応用したものです。Web地図(Leaflet, Mapbox等)との相性が抜群で、近年のWebGISの発展を支えてきました。
* 長所:
* 単一のテキストファイル(.geojson)で完結するため、データのやり取りが非常に楽。
* 人間が読んで理解しやすいシンプルな構造。
* 文字コードはUTF-8が標準で、属性名の文字数制限もなく、柔軟なデータ構造を持つ。
* Webブラウザで直接扱いやすく、Web地図との連携がスムーズ。
* 短所:
* テキスト形式のため、同じデータでもシェープファイルよりファイルサイズが大きくなる傾向がある。
* 非常に複雑で大規模なデータの場合、表示パフォーマンスが課題となることがある。
例えるなら、「スマホで読める電子書籍やWebページ」。手軽で共有しやすく、今の時代の使い方にマッチしたモダンな形式です。
結局、どっちを使えばいいの?利用シーン別使い分けガイド
結論から言うと、あなたの「主な作業場所」によって使い分けるのが正解です。
「シェープファイル」を選ぶべきケース
* QGISやArcGIS Proなど、デスクトップGISソフトが解析のメイン
* Webで公開する予定がなく、組織内でのデータ解析や地図作成が目的
* 過去のプロジェクトとの互換性を保つ必要がある
このような「PCの中での作業」が中心なら、これまで通りシェープファイルを使うのが手堅い選択です。
「GeoJSON」を選ぶべきケース
* Web上で地図を公開・共有したい(WebGISを構築したい)
* プログラマーやWeb開発者とデータをやり取りする必要がある
* Pythonなどでデータ解析を行う(Pandasとの相性も良い)
* GISソフトを使わず、とりあえず中身をメモ帳などで覗いてみたい
このように「Webとの連携」や「他システムとの連携」を考えるなら、GeoJSONが圧倒的に便利です。
これからどっちを使うべきか?未来の視点
国土数値情報が両方の形式に対応したことは、GISの世界が「デスクトップ中心」から「Web中心」へと移行している大きな流れを象徴しています。
今すぐシェープファイルがなくなることはありませんが、今後の主流がGeoJSONをはじめとするWeb親和性の高いフォーマットに移っていくことは間違いありません。
もしあなたがこれからGISを学んだり、新しいプロジェクトを始めたりするのであれば、ぜひGeoJSONを積極的に使ってみることをお勧めします。最初は戸惑うかもしれませんが、その手軽さと柔軟性は、あなたのGISの可能性を大きく広げてくれるはずです。
まとめ
* シェープファイル:デスクトップGISの頼れる相棒。PCでの解析がメインなら今も現役。
* GeoJSON:WebGISとの相性抜群のニュースター。Web連携やデータ共有ならこちら。
国土数値情報でデータを選ぶ際は、ぜひ今回の記事を参考に、ご自身の目的に合ったフォーマットを選んでみてください。
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返信削除最近はGeoJsonを使うことにしています
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