【第7回】地図を彩る!iDesktopXの多彩な可視化表現テクニック
こんにちは!GIS導入支援コンサルタントのippuku_timeです。
「5分で分かるSuperMap iDesktopX製品・機能紹介シリーズ」、第7回です。前回はGISの強力なデータ処理機能について学びました。今回は、そうして整えられたデータを、いかにして「伝わる地図」にするか、というテーマでお届けします。iDesktopXの多彩な「可視化表現」の機能を使えば、データが持つストーリーを生き生きと描き出すことができます。
【第7回】地図を彩る!iDesktopXの多彩な可視化表現テクニック
1. 地図の基本言語「シンボル化」
(1) 点シンボル:
港区内の駅や公共施設などを表現します。iDesktopXには豊富なシンボルライブラリが付属しており、駅のアイコンや建物の記号などを簡単に選択できます。もちろん、独自の画像ファイルをシンボルとして登録することも可能です。
(2) 線シンボル:
首都高速やJR山手線、河川などを表現します。単純な実線だけでなく、鉄道の線路のような複雑なデザインの線種も簡単に作成・適用できます。線の色、太さ、線の端点や結合部の形状も自由に設定できます。
(3) ポリゴンシンボル:
芝公園や増上寺、建物といった面的な広がりを持つ地物を表現します。単色での塗りつぶしはもちろん、ハッチング(斜線模様)やグラデーションで塗りつぶすことも可能です。
2. 地図操作とインタラクティブ機能
(1) スワイプ機能:
2つのレイヤーや、異なる時期の地図を比較するのに最適な機能です。例えば、1980年代の港区の地図と現在の航空写真を重ね、スワイプバーを動かすことで、都市開発による劇的な変化を視覚的に示すことができます。
(2) 鷹の目(オーバービューマップ):
地図を拡大表示している際に、今見ている範囲が全体のどの部分なのかを示す小さなウィンドウです。鷹の目ウィンドウ内の矩形をドラッグすることで、メインの地図表示範囲を素早く移動させることもできます。
(3) 検索と位置指定:
属性情報(例:「東京タワー」という名称)でオブジェクトを検索し、その場所に瞬時にジャンプする機能です。大量のデータの中から目的の地物をすぐに見つけ出すことができます。
3. プロフェッショナルな地図に仕上げる「作図ツール」
(1) 凡例の追加:
地図上で使われているシンボルが何を表しているかを説明する凡例を、自動または手動で作成できます。凡例のレイアウト、テキスト、スタイルも自由にカスタマイズ可能です。
(2) 地図グリッド:
地図上に経緯線や方眼網(グリッド)を描画します。位置関係を正確に把握するために不可欠な要素です。
(3) 標準図郭:
国土地理院の地形図のように、標準化された図郭や整飾(図名、縮尺、方位記号、作成者情報など)を簡単に追加できます。これにより、体裁の整ったプロフェッショナルな地図を効率的に作成できます。
4. ワンランク上の表現力「高度な作図機能」
お気に入りの写真やイラストの色調を、AIが自動的に解析し、その配色スタイルを現在の地図に適用するユニークな機能です。例えば、桜の写真を使えば、港区の地図全体を春らしいピンク系の優しい雰囲気に変えることができます。
5. 時の流れを可視化する「時系列データ」
iDesktopXは、時間情報を持つデータをアニメーションとして再生する機能も備えています。
(1) データの準備: データに時刻や日付を表すフィールドを用意します。
(2) 時間設定の有効化: レイヤープロパティで、時間フィールドを指定し、時系列表示を有効にします。
(3) 再生: 地図ウィンドウに表示されるタイムスライダーを操作することで、時間の経過に伴うデータの変化(例:再開発による建物の変遷、交通量の変化)をアニメーションとして再生・確認できます。このアニメーションはGIFファイルとして出力することも可能です。
まとめ
次回は、**第8回「データで語る!主題図作成マスターガイド」**です。GISにおける可視化の中核である「主題図」に焦点を当て、個別値、段階区分、統計グラフなど、様々な種類の主題図の作成方法を詳しく解説していきます。お楽しみに!
付録:サンプルコード(Python)
港区の地図に読み込んだ公園レイヤー(ポリゴン)に対して、緑色のシンプルな塗りつぶしスタイルをプログラムで設定するPythonコードの例です。
Python
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